遠絡療法の基本的な理論から施術方法や施術ポイントなどの基礎知識を簡単にまとめてあります。

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遠絡の基礎知識

基本の理論

遠絡療法(遠絡統合療法)(以下遠絡)には、中医学の古典「易経」の中の『一按即消』という考え方があります。

『一按即消』というのは、ツボを押したら、すぐに効果が現れるということです。遠絡では、疼痛のある部位から遠く離れたところにある手や足のポイント(ツボ)を押すことで、痛みに対し軽減効果が期待できます。

創始者の柯先生はそれまで積み重ねていた「一本鍼」のポイントを一押ししたら良くなったという経験から、鍼を使わずに症状とは離れたポイント(ツボ)を「押す」ことで、痛みを軽減する施術法として体系化しました。

遠絡は「一本鍼」の理論上に、西洋医学と東洋医学の問題点を修正することで理論体系化がなされた、日本生まれの施術法です。

ライフフロー

遠絡は、「生命体としての人間」に注目し、本来あるべき正常な生命体の流れを取り戻すことを目的に研究されました。そして、遠絡ではこの生命体の流れを「ライフフロー(生体の流れ)」と呼んでいます。

この「ライフフロー」を調整をすることにより様々な症状を克服してきました。ライフフロー( 生体の流れ)を構成する要素の中には、「生命力の流れ」や「イオンの流れ」があり、それらが流れる媒体として「血液」や、「リンパ」、「神経」、「内分泌」などがあると考えています。その媒体を通して身体の中をくまなく流れているのが「ライフフロー」であり、ライフフローを良くすることが遠絡における重要な考え方となります。

生体ラインと押圧ポイントについて

遠絡の最大の特徴は、「Body(身体)」の医療ではなく「Life(生命)」の医学であることです。

東洋医学では、経絡の中を気血水が流れていると考えています。西洋医学では、基本的には血液やリンパなど実在するものが治療対象となります。

一方、遠絡では、ライフフローを改善することが施術の中心となります。

遠絡では、ライフフローの通り道を「生体ライン」として体系化しています。「生体ライン」は東洋医学の経絡と似ているところも多いですが、遠絡独自のラインとして臨床を通して効果を一つひとつ検証して形成されたラインです。

「生体ライン」は手足にそれぞれ6本、計12本のラインと体の正中の前後に2本のラインがあります。これは東洋医学の「経絡」と同様ですが、通るラインの道筋は同じではなく、遠絡独自に調整されたものとなります。

「押圧ポイント」は「生体ライン」上にありライフフローを調整する役割があるポイント(ツボ)になります。遠絡における「押圧ポイント」は東洋医学の「経穴」に重なる部位もありますが、遠絡独自に一つ一つ検証されて体系化され構成されています。「押圧ポイント」は一つのラインに9か所ずつ、計108か所のポイントがあります。

Cポイントの役割

 

「押圧ポイント」は、一つの生体ライン上に9か所ずつあり、それぞれのポイントが役割を持っています。その中でも「Cポイント」と呼んでいるポイントがあり、遠絡において最も重要なポイントになります。

Cポイントは「Control Point」の略語です。

Cポイントの役割は簡単にいうと生体ラインを別の生体ラインに繋ぐ役割をもつポイントになります。 Cポイントは12ラインに各1ヶ所、計12ヶ所あり、東洋医学における「絡穴」とほぼ合致しています。

Fポイントの役割

「Fポイント」は「Function Point」の略語です。

Functionというのは機能という意味で、ライフフローの流れを調節する機能という意味です。 Fポイントは治療効果を得るために不可欠なポイントです。

Fポイントは「疼痛部位に対応するポイント」になるため、選定の際には疼痛部位を正確に把握する必要があります。選定がずれると効果はあまり期待できなくなります。

ポイントの押圧について

遠絡療法は「Cポイント」と「Fポイント」の2か所を同時に刺激する「二点同時押し」が基本となります。二点を同時押しすることでライフフロー(生体の流れ)を調整する効果があると考えられています。

また、押圧ポイントを一様に押すのではなく、押圧の仕方により効果が変わるものと考えられています。

ポイントの押圧の仕方は以下の3種類あります。

  • ① 深圧(Cポイントに使用)
  • ②補(ほ)の手技(Fポイントに使用)
  • ③瀉(しゃ)の手技(Fポイントに使用)

補(ほ)と瀉(しゃ)

押し方には規則があり、むやみに押すだけでは効果がありません。

補(ほ)の手技とは、生体の流れを補うことを目的とした押圧方法です。基本的に、ライフフローの流れに沿った方向に押圧をしていきます。

瀉の手技とは、生体の流れを邪魔しているものを取り除くことを目的とした押圧方法です。基本的に、ライフフローに逆らった方向に、ぐっぐっと力強く按圧を繰り返していきます。

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