10年ほど前、世界保健機構が人体のツボの位置を統一したことが話題になりました。
日中韓で当初92のツボの位置が異なっていました。そのひとつが「労宮穴」です。
日本と中国は第2指の下で第3指寄り、
韓国は第3指の下で第4指寄りの説で多くの議論を重ねました。
そもそも古典の霊枢本輸篇の説と十四経発揮の説で異なっているのです。
日本でも柳谷素霊は2,3指間、本間祥白は3,4指間を採用しています。
2つの労宮をどう区別して使うのかがわからないから議論されたのでしょう。このように専門家でも違いがわからないのです。
遠絡療法では2つの労宮(TxⅡ/c)は繁用穴で、両者の違いを明らかにして使い分けをしています。
このことだけでも遠絡療法の凄さがわかります。