なぜ腰痛になるのか?
患者数の多い疾患は腰痛です。来院された患者さんは「くしゃみをしたら腰が痛くなった。」「朝、歯を磨こうとしたら痛くなった。」「寝返りを打ったら痛くなった。」「特に何もしないのに痛くなった。」などと言います。

椎間板ヘルニアだとか、骨粗鬆症で圧迫骨折のように病名がはっきりしている場合を除いて、ほとんどの場合は原因がわかりません。それなのにかなり多くの人が腰痛を経験しているのです。

それはそもそもヒトが二本足で立つようになったことに理由があるようです。犬や馬など四足動物には腰痛がないようです。ヒトとの違いは背骨が横に並んでいるか縦になっているか、ヒトの背骨はタテに積み木を重ねたようになっているのです。背中側の筋肉は四足動物の場合は背骨を吊るす吊り橋のワイヤーのような役目だったのから、背骨が縦になったヒトは腰を反らすだけの役目になりました。その上、脊椎の後ろ側には筋肉があるのに、脊椎の前側には筋肉がありません。四足動物では前側に筋肉はいらないのです。

だからちょっとしたことで脊椎が軽い捻挫を起こします。

それだけならいいのですが、軽い捻挫で「痛い!」の反応に「防御収縮」という脳から指令が出て筋肉を固くして守ろうとします。でも背筋はあるけど、脊椎の前側に筋肉がないので背中側だけ固くなる。なお痛くなる。⇒防御収縮⇒痛い・・・・・結果、痛みが取れない。(これが腰痛のメカニズムです。)

遠絡療法では脊椎神経の出口の所で神経線維の流れが圧迫されているのが原因だと考えています。神経線維が外力で不完全に圧迫されているのを「痛み」、炎症で圧迫されているのを「重み」と表現します。完全圧迫されると「しびれ」になります。
神経線維の圧迫を取って流れがスムーズになれば痛みはその場で消えるのです。