遠絡療法を語るうえで絶対に欠かせないのは創始者 柯 尚志(こう しょうし)先生です。
まずは先生の著書「痛みとしびれの処方箋」の著者紹介から引用してみます。
柯 尚志(こう しょうし)
ペレス・銀座クリニック院長。日本遠絡医学会理事長
昭和23年台湾生まれ。鹿児島大学医学部卒業後、九州大学病院麻酔科入局。国立九州がんセンター放射線科を経て、昭和63年に福岡で内科医として開業。その後、上海中医薬大学国際鍼灸科で学び、帰国後、西洋医学・東洋医学を発展させ、独自の痛み治療の研究に取り込む。平成14年、難治性痛み専門医院「ペレス・銀座クリニック」を開業。日本生まれの新痛み治療の発展・普及に取り組む。著書に「消痛革命 驚異の実力初公開」(土屋書店)がある。
「痛みとしびれの処方箋」より
遠絡療法が形作られるまでのことは著書「消痛革命」に詳細が著されています。
柯先生は昭和23年生まれ、子年です。子(ね)は物の始まりで、自分でも新しいものを始める運命だと言っていました。台湾から日本に来られて言葉の壁と医学の勉学には相当の苦労があったものと想像できます。
先生との出会い
私が遠絡療法の門を叩いたのは平成20年8月です。先生がお亡くなりになったのが
平成28年1月24日ですから、先生に師事したのは約7年少しの短い間でした。ちょうど遠絡療法の黄金期と言われる時期に入門し、医学会の体制も完成、成熟期に入ろうとするまでの間、私は遠絡療法だけに没頭した日々を送りました。
柯先生はただひたすらに治療を実践し患者さまにエネルギーを注ぎ続け、亡くなる前日まで治療のことと後継者の育成を考え続けながら急逝されました。
いまは故郷に帰り、台湾の花蓮という地にご先祖とご一緒に眠っておられます。
柯尚志先生は日本で医師になられてから30年、
ひたすら難治性の痛みや病気に苦しむ患者さんの治療にあたってこられました。
その中で日本生まれの遠絡療法は西洋医学と東洋医学の欠点を修正し、新たに再構築したとても画期的な治療法です。
日本、台湾、シンガポール、上海、アメリカなどにも広まり、
現在では3000人以上の先生が柯先生の教えを取り入れた治療を行っており、
大学病院や専門病院でもなかなか改善しないような難治性の痛みや症状に対して効果をあげています。
柯尚志先生と一緒に新しい治療法の開発に打ち込んだ先生や遠絡療法を尚志塾や尚志義塾で学んだ多くの先輩、同志たちが柯尚志先生の創り上げた遠絡療法をさらに世の中に普及するために結束し、「日本遠絡統合医学会」(2018年10月に法人化)を立ち上げました。
これからはじまる遠絡医学の新しいページを創っていくことを誓い、
創始者の柯尚志先生の名前がずっと残るよう、世界に広く普及することを目指します。
私も柯先生より直に遠絡療法に携わった医療者として、
さまざまな症状に悩んでいるひとりでも多くの患者を一生懸命に治療して参ります。
決意を新たにする意味で私の学んだノートから柯先生の言葉をいくつか拾ってみます。
《柯尚志 語録》
※診断の目的は治療のためである。
※できないから勉強する。練習するのが早道です。
※終点の設定をしなさい。
※因を見つけたら、果を捨てなさい。
※ワンポイントをつかむこと。ワンポイント以外はやらないこと
※100%治せる治療師になりなさい。治療師は元々治療することが仕事です。
※患者を見れば医者が分かる。
※見えないものが本物で、目に見えているものはすべて偽物
※医療とは患者を治せること、そしてそれを説明できること
※真理とは誰にも例外なく当てはまる普遍のもの
※元々そうです。
等々、ノートに書き散らしています。どれも深いお言葉です。
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