痛みやしびれは身体のどこかに障害を受けたことによって感じる知覚です。刺激によって発生する神経の興奮が脳に伝わることで症状として意識されます。

 

遠絡療法では怪我や外傷など原因がはっきりしている場合はその部位を局所性症状と考えます。痛みの部位が1点で移動しない、発症時に赤みを帯びている、腫れ、熱感など炎症症状がはっきりしています。そうではない場合、痛みやしびれの場所が変化する(動く)、1点ではなく線や面での症状があるなど局所性ではない場合はすべて中枢性と考えます。中枢性とは脳から脊髄に障害があると考えています。

 

局所性の場合は原因部位に対応した治療ポイントを使用することで障害部位の循環が高められ、痛みが早期に解消されて組織も修復されていきます。怪我の場合も治りが早くなるようです。(遠絡療法が瞬間消痛と謳っているのはこの場合です。)

 

中枢性の場合は原因部位の鑑別が必要になります。原因がはっきりしない上肢、下肢の痛みは脊髄に原因があると考えています。しびれは脊髄と患部との間の神経線維が原因です。また、症状が1,2か所ではなく、全身、あちこちにある場合は脳と脊髄の間にある視床に原因がある場合もあります。もちろん大脳に原因があることもあります。症状の出現をしっかりとらえて原因を元から治していくことで痛みやしびれと決別したいものです。